
![]() 私たち山勇は食品を取り扱う会社です。自然が与えてくれる恵みを皆様にお届けするというとても大切な仕事をさせていただいております。私たちの"いのち"の源である自然の"いのち"とかけがえのない人の"いのち"を繋ぐ架け橋として、"いのち"を育むために与えられた天職だと思っています。
山勇水産が創業したのは、今から100年以上前の明治年間。初代浜口勇次郎が伊勢湾で獲れるコウナゴやニボシなどの水産加工品の製造販売を行なう山勇商店を開設したことに始まります。幼い頃から、自分の生まれ育った地・河芸町の前に広がる伊勢湾の美しさに魅せられ、この海から水揚げされる豊富な水産物に心を奪われました。 そして「この目の前にあるイキイキと輝く魚の素晴らしさを皆様にお届けしたい」勇次郎のこの想いは心の中に大きく広がり、山勇商店として実を結びました。これが山勇の出発点となりました。 水揚げされた新鮮な魚を釜茹でし、天日にさらす、丹念に手を掛ければ掛けるほどおいしさは極まっていきます。「このおいしさは天から授けられた宝物だ」勇次郎はこの宝物を分け与えてくれる伊勢湾の海に何度感謝したことでしょう。この初代勇次郎の想いは、100年を超えて、4代目となる今に受け継がれ、山勇に息づいているのです。 私たちが取り扱っているカニをはじめとする水産物は、単なる食品でもなければ、お金を儲けるための商品でもありません。自然が分け与えてくれた"いのち"なのです。初代勇次郎が、獲れたての魚に魅せられたのは、それが商品としてではなく、"いのち"だったからなのです。"いのち"を前にする時、私たちは誠実な気持ちでしか"いのち"と向かい合うことはできません。虚偽や虚栄心があれば、いつか"いのち"から離れていってしまうのです。 私たちは初代勇次郎の想いを引き継いで、毎年6月には全社揃って「カニ供養」の法要を行ない、カニへの感謝の気持ちといのちの大切さを心に刻んでいます。自然から奪い取るのではなく、自然から分け与えられているという感謝の心を忘れることなく、その恵みの美味しさをそのまま皆様にお届けすること、この私たちに与えられた役割を全うするために、"常に誠実であれ"と100年を超えて受け継がれてきた山勇の伝統が教えてくれるのです。
食のあり方は時代と共に大きく変化していきます。貧困にあえいだ戦後、高度経済成長を経て大量生産・大量消費の渦の中にあった食生活、ファーストフードをはじめとしてアメリカ型食品の到来、食は大きく変貌を遂げていきます。 そんな時代の中で、山勇の美味しさへのこだわりは常に進化していました。そして昭和40年代、山勇は大きな事業への取り組みを始めます。それは時代が求める新しい"美味しさ"へのチャレンジでした。アラスカ産のカニの輸入・加工販売に着手したのです。日本ではカニといえば北海道や北陸産を思い浮かべますが、それはカニの漁獲のほんの一部にしかすぎません。国内のカニの需要を満たすためには安定的に供給していく量を確保することが必要となります。山勇は時代が求める新しいおいしさとして"アラスカ産のカニ"に着目したのです。厳寒の海で獲れるアラスカ産のカニは、その品質の良さと美味しさで世界的にも最高級の評価が与えられています。そしてそれ以降、高品質のカニを求めてロシア・カナダへと提携先を広げていきます。「このカニの本物のおいしさを皆様にお届けしたい」 初代勇次郎の想いが昭和の時代に甦りました。 それから山勇の新しい挑戦が始まりました。アラスカの現地に足を運び、カニの選定から一次加工を行う工場に対する厳しい規準の取り決め、そして国内に着荷してから自社の加工工場における厳しい品質管理、こうした山勇のカニに対する安心・安全への徹底した管理と品質・おいしさへのこだわりが、山勇ならではの「自社一貫管理体制」を築き上げました。素材の選定から輸入・保管・加工・製品化までのすべての工程に自社の社員が携わり、厳しい目で管理するというシステムを作り上げました。 山勇のこだわりはそれだけではありませんでした。当時、茹でたカニの冷凍商品しか商品化されていなかった時代に、「生ガ二を冷凍できないものだろうか?」という思いつきのもとに新しい試みを始めたのです。ご存知のように、生ガ二は時間を経ると身が黒く変色する黒変が起こります。これは冷凍された生ガ二でも同様な現象が起きてしまいます。「冷凍された生ガ二の黒変を防止できないものだろうか?」山勇は地元にある三重大学や薬品メーカー、冷凍機メーカーの人々と共同でこの課題に取り組んだのです。そして苦労に苦労を重ねた末に、日本で初となる画期的な生ガ二の黒変防止・冷凍技術の開発に成功し、国内で初の"生冷凍切りずわいガニ"の商品化を成し遂げたのです。茹でたカニの冷凍品とは問題にならないほどの美味しさの新発見は、大きな反響を巻き起こしました。 山勇の安全・安心、そして品質・美味しさへのこだわりと絶え間ない探究心が、本物のカニのおいしさの新発見へと実を結んだ画期を成した時でした。 この山勇の安全・安心と品質・美味しさへのこだわりが、皆様との深い信頼関係を築き上げる大きな力なのだと思っています。
そして、私たちが皆様に伝えたい最後の1つは、山勇が理想として目指す企業像についてです。昨今、食品業界での偽装・虚偽が発覚する問題が多発しました。この食品業界を取り巻く問題は、食品という本来"いのち"を育む役割を果たすべき企業が、その本分を忘れ、利潤追求と企業拡大という私利私欲に取り憑かれた事に起因していると思っています。それは、企業の拡大を至上目的として自らの"顔"が見えなくなってしまった結果なのです。大きくなればなるほど、自らの企業としての"顔"が見えなくなってしまいます。 私たちは、すべての面において"顔"の見える企業でありたいと願っています。
それは山勇の製品そのものにおいても、また企業経営においても然り、そして企業の従業員との関係においても然りなのです。それでは"顔"って何なのでしょうか? そしてこの製品を通じて、お取引をさせてもらっている小売店や百貨店などの取引先の方々はもちろん、製品を購入される消費者である皆様との間で、お互いに顔の見える関係でありたいと思っています。顔が見える関係とは信頼の絆の上に立って理解し合える関係のことです。 それと共に、企業の中における顔の見える関係も大切なことです。山勇の経営陣と従業員とがお互いに信頼し合って、顔の見える関係であってこそ、より良い製品づくりが出来るのです。 山勇の製品が皆様のお手元に届いた時、「山勇ってこんな顔をした会社なんだね」と皆様に理解していただき、そして笑顔でその美味しさを味わっていただける、そんな"信頼の顔づくり"を山勇は目指していきたいと考えています。 |